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追補 精神科診断面接のコツ ( 神田橋 條治 )

「診断」という言葉のために、医師のためだけの面接技術に関する本ととらえられがちだが、面接という場を介して五感を最大に活用することで相手の心身状態を正確に把握することを目的としている。医療にとどまらず、「面接」が欠かせない職業(人事、福祉…)にもひろく有用と思う。<P>診断の機能、面接の場の作り方、非言語的所見の重要性、「なぜ」という言葉の有害性、等々、面接の基礎をつくるヒントが多数盛り込まれている。「空疎な正論」は一切書かれていない。もちろんスポーツと同様にトレーニングしなければ身に付かないが。<P>大学の教官として在籍中に書かれたものだが、その趣はむしろ「職人」である。頭脳は優秀でも人の話を聞かない「医学者」ばかりの現状を憂う人は多いと思う。DSMで粗雑な思考になりつつある精神科医にあらためて著者の次の皮肉を噛みしめてもらいたい。「誤ったデータに基づき、正しい考察がなされるなら、必ず誤った判断に到達する」

医学生であるが、doctorに勧められ購入した。<BR>正直言って、学生にはとても難しい本で内容を十分に理解できたとは思わない。<BR>だが、名著であることだけは間違いない。<BR>精神科の面接はこれだけ気を配ってもなお足りないと思わせるような迫力がそこにはある。

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