計算機科学を修めるものにとって、Knuth先生の著書はさけて通れないものがあると思います。この本はその最たるもので、これから計算機科学を志す方にも、すでにある程度経験を積まれた方にもお薦めのモノです。<BR>言うまでもなくKnuth先生は組版システムTeXを発明・開発したその人であり、その開発の動機がこの本に由来することであった話は有名です。<P>実は以前にも翻訳版が出ているのですが、そのときはまだ改訂前でしたし、この本は以後出た訂正にも対応しているとのことで、信頼の置けるものになっていると思います。<P>なにより、この本を監修された和田英一先生、有澤誠先生をはじめ翻訳に取り組まれた方々は、日本の計算機科学をリードしている方々であり、訳語の選択や内容のわかりやすさについての監修もかなり丁寧にされているのではないかと期待が持てます。<P>私自身、あの分厚い本を初版から第三版まで原書を購入してしまったのですが、この翻訳版も購入し、あらためて勉強し直したいと考えています。<P>レベルは大学の専門課程以降に進まれた方や同程度あるいはそれ以上の方が読むと得ることが多いと思います。大学入学した方は前提となる知識が足りないかと思うのでちょっと難しく感じるかもしれません。しかし、そうした方でも挑戦してみる価値は絶対にあると思います。内容に関しては全世界の人が認めるところですから!
古い版を苦労して読んだ私のような人間には、感激の一語に尽きる。まさに「バイブル」と言えるだろう。最近ではこの本を紐解いたこともないくせにプログラムやアルゴリズムに関して偉そうなことを言う輩がいたりするが、冗談ではない。この本を読まずしてコンピュータを語るなとさえ言いたい。<P> 版が新しくなったので、内容もちゃんと改訂されている。私はすぐに「演習問題についての注意」のページを開き、フェルマ予想の証明が研究問題でなくなっているのを確認して思わずにんまりとした(そんなところばかり読んでいる場合ではないが)。<P> クヌースの事を知らない人も、コンピュータを勉強しようと思っていたら、絶対に読まなくては駄目。重くて高く感じるかもしれないが、ちゃんと読めば、重さ以上・値段以上であることがわかるはずだ。