通常のビジネス書にありがちな著者の私見を極力排する形で、淡々と事実を述べていくスタイルで書き進められている。所謂、歴史書の性格を帯びている。<P>読者対象は、NTT関係者等の主に通信業界に身を置く人としているように思われる。加えて、「電電公社」という名前に記憶があるが、通信業界に対して詳しくない人であれば、いつの間にやら同公社が「NTT」となり、「東日本」「西日本」等に分割されていたという感じをお持ちと思うので、そういう人にとっても、その経緯を知ることができると思われる。<P>尚、家族がNTT株の株主となり大損をさせられた者としては、INS(Ittai Naniwo Shitaino)の不発、国際通信会社の買収失敗、米国ベリオ社の高商い などのその時の著者の判断若しくは考えについての記載(及び反省の弁)が欲しかった。
NTT・・・日本を代表する企業であり、日本の情報通信に<BR>多大な影響力を持った企業のトップを勤めた人物の一冊。<P>NTTはどんな未来を考えているのか、目指しているのか?<BR>それがすなわち日本の情報通信の未来である。<BR>それが良いことなのか悪いことなのか議論があるところだろうが、<BR>少しでも良い情報通信を日本が手に入れるためには<P>やはりNTTの動向には注目すべき事になるだろう。
が切実に伝わってくるところが、ところどころある。そこがこの一冊の魅力であるだろう。<P>アタッカーは、アタッカーでさまざまな攻め口や考え方があったのかもしれない。が、大NTTグループを一大転換させた大いなる経営者としての思想が伝わってくる一冊であった。<P>今のめまぐるしい状況は所与であるかもしれないが、通信業界も含め、何事にも歴史はあり、そして、経営者たるもの、鮮烈にどうしたい、どう考えるということを表明すべきである。宮津氏はそれをやった。