最近、株主優待をめあてに、株売買を始める人が増えているという。株価が低迷しているので、株を買いやすくなっているのも一因だ。株主優待により、銘柄によっては、貯金利子以上の利回りをかんたんに得ることができるのが魅力だ。将来の売買益もねらえ、一挙両得である。また、株主優待だけでしかゲットできないような品物を株主優待につけている企業もあるという。この本は、株主優待初心者向けの本である。株主優待の仕組みから始まって、株主優待の基礎を丁寧に解説している。株主優待から見た、株の銘柄選びのコツはとても参考になる。お勧め銘柄のページは、何も知らない初心者にとっては、よいナビゲーションだ。最後は、とくに有益な株主優待一覧が並ぶ。この本で紹介しているのは、株主優待の一部だから、百戦錬磨の人にとっては情報量の点で物足りないかもしれないが、株主優待の全部のリストから選ぶのは自信がないとか、優柔不断で一人では決められないとか、だれかが薦めてくれないと買えないとか、そういう、僕みたいな軟弱な人には、大変ありがたくてしかたがないような内容になっている。
最初は「優待の実用書??」と半信半疑で買ったのですが、この本のよいところは、「いい優待さえもらえればそれでいい」という、優待ファンにありがちな態度を戒めている点にあると思います。優待欲しさに株を買って、株価暴落したという経験をした方は私以外にもたくさんいらっしゃることでしょう。その意味で、優待のいい面だけでなく、リスクについて説明しているところに好感が持てました。「配当利回り」が見やすく表示されているのもポイントが高いです。