リストのピアノ曲は、ホルヘ・ボレットさんのものを主に聴いてきましたが、フジ子・ヘミングさんの演奏をCD等で聴き、強烈に印象づけられました。書店の音楽書コーナーに行き、本書を見つけて、ページをパラパラとめくったところ、フジ子さんの自筆の日記やイラストが掲載されており、興味をもったので本書を購入しました。フジ子さんが経済的に苦しい生活を、長く続けてこられたことは、本書を読む以前に知っていましたが、1週間もの間、砂糖水だけを飲んで命をつないだことなどが克明に記述されており、衝撃を受けました。フジ子さんは、生きるよりも死んだほうが楽だと思い続けた時間が、非常に長いものだったんじゃないのかなと思いました。CDやDVDなどのメディアだけでなく、実際にコンサート会場に足を運んで、フジ子さんの奏でる「魂の旋律」を、心に刻み込みたいと思いました。
お互いに出会ったことが無いであろうお二人だが・・・、米国の精神科医「エリザベス・キューブラー・ロス」の自伝「人生は廻る輪のように」を読んでいて、フジ子・ヘミングの人生をつづった本書のことをしきりと思い出した。<P>「人がこの世に生まれてきた目的は、成長することのみ」と書いたエリザベスの言葉を、フジ子・ヘミングは体得していくかのような生き方だ。どこまでも音楽に一途に、そして弱き者に愛を注ぐ人生・・・。<P>俗世間的な欲や幸福を超越して、我が道を生き抜いてきた類稀な二人の女性の自伝、個人的なお薦めですが、2冊あわせて味わってみるとなかなかGOODなのでは・・・。
NHK等の番組を見てフジ子さんに興味を読み、この本を読んでみたのですが、<BR>そこにはテレビだけでは分からなかった事が、フジ子さんの言葉で述べられていました。<BR>周囲に才能を見とめられつつも大きな舞台で演奏をできないドイツでの苦悩の日々を、過去を振り返った回想シーンのような形で述べられています。<P>この本を読んでフジ子さんの過去を知り、フジ子さんへの関心がより一層深まりました。