本当に私は、自殺遺児達のこの様な勇気と励ましに脱帽してしまった。この本に書かれている「自殺って言えなかった」多くの人が、あしなが育英会と自殺遺児編集委員会によって立ち直っていった姿は、とても衝撃を受けてしまった。(私の場合、これは「クローズアップ現代」で取り上げられたことを受けて買ったものである。)<P> 更に衝撃を受けたのは、自殺で肉親を喪った人の多くが、逆に同じ自殺で肉親を喪った人を励ましたいと願っていたことであった。只でさえ辛いはずなののに、そこまでできるのは、とても凄いことだと思う。<BR> 最後に思ったが、年間3万人に及ぶ膨大な人が自ら命を絶っていく現状は、何とか打破することが必要だと思う。そのために、この本を勧めたい。
親を亡くした経験を仲間とともに乗り越え、勇気を出して出版に至った、そんな重みのある一冊です。<BR> とても衝撃的でした。こんなにも赤裸々に綴られた書に今まで出会ったことはありませんでした。しかもフィクションではありません。<P> 私はまだ父・母ともに健在です。父は定年で・母はリストラにより隠居生活をしています。だからこそ、働いていた頃とは異なる生活の中で、悩み事・相談事が出ています。これまでは、相談を持ち掛けられても「面倒くさい」気持ちが先立ち、やや邪険にしていました。<P> でも、この一冊に出会い目が覚めました。これからは兄妹とともに彼等と向き合い、ともに生きる喜びを分かち合えるよう心掛けたいと思えるようになりました。<BR> そして、あしなが募金にも参加させて頂きます。
不況もあって近年自殺、特に中高年の働き盛りの男性の自殺が増加している。これは、自殺者と関わる数倍の人間が増加していることも意味する。この本は自殺者の家族(子供、配偶者など)が勇気を出してその体験を語ることで、自殺者を少しでも減らそう、自殺者の家族の「こころの負担」を少しでも理解してもらおうという試みである。自殺についての医学、心理学、文学的アプローチは数限りなくあるが、実際の現場で家族がどう巻き込まれ、悩み、苦しみ、傷つけられながらも再生していくかは、当事者でなければわからないものである。特に子供が感じる(自殺を止められなかったという)罪悪感は相当深刻である。「あしなが育英会」は経済的にも窮地に追い込まれる子供たちに経済的、および精神的な連帯にある救済を行っている。学者の理論や政治家の同情などではなく、体験者による「つどい」における「癒し」がこころの傷を治し、厳しい現実に立ち向かう勇気を与えているようだ。