美しい豊富なカラーイラストとエピソード、資料の紹介など、体裁は一級の生物図鑑のようであるが、扱っているのは空想生物、すなわちUMAである。<BR>主にネッシーなどの海(水)棲生物に詳しく、代表的なUMAと、その正体を考察した解説、そしてその亜種と思われる各地のUMAを順序よく扱い、<P>それぞれにカラーイラストと解説が付いていて手抜きが感じられない。<BR>目撃情報につきものの怪しい写真などはかなり少ないので、そういう外連味を求めている人は意にそぐわないかも知れないが、<BR>チュパカブラやモスマン、スカイフィッシュに至るまでがまるで実在の生物を扱った図鑑のように、ふざけることのない真面目な姿勢で一貫して<P>掲載されているのはたいへん好感が持てる。<P>ネッシー系や大蛇系の解説、考察が非常に詳しい。オカルトではなく、学術的なアプローチでの視点からのUMA本であろう。
ネッシー、イエティといった世界的に知名度の高い人気者から「こりゃどこの星の生きもんじゃい!」と言いたくなるようなSFの挿絵もどきの生物まで集めました総勢90種の「地球上未知動物」。澤明さんの精緻なイラストで描かれた彼らを見ているだけでも楽しいが、本書では更に正体はこれではないかというのを学説1、2、3、とやはりイラスト入りで掲載してあって、その可能性を検証しながら見ていくとなお楽しい。<BR>第一、チュパカブラ、ンデンデキなど、名前だけでも楽しいではないか(これに比べるとクッシー、イッシー、モッシーなどは如何にもネッシーの二番煎じで精彩を欠く感がある)。<P>ネス湖に行ったときには真夜中、湖面を眺めながら、「これだけ観光地化されて、大勢の人が訪れてなお証拠が見つからないのだから、ネッシー実在しないよね」と思ってしまったものだが、伝説から集めたスコットランドの怪物達には類似部分も多く、今はいなくても、かってはいたかもしれないと思わせてくれる。