李登輝氏の著作「ノーブレス・オブリージュ:武士道解題」を読み、遅ればせながら原著を読みたくなり、この原著バージョンと岩波文庫翻訳版を購入して読んでみました。<P>孔孟、ニーチェや和洋の歴史への深い洞察・知識素養をちりばめてBushido-The soul of Japanの本質をとく本書は、当たり前ですがところどころ難解な部分があり、翻訳版で読んでも一読でスッと頭にはいるということはなく何度と無く行きつ戻りつ。原著は(これも当たり前ですが)古語・文章語が多く、なかなかサラっとは読めませんが、典雅な雰囲気満点、欧米に向けて説く日本人が古英語で書いた「武士道」はじっくり読む価値十分の重厚な内容です。<P>冒頭のprefaceにも「日本人の無宗教」への言及がありますが、わたしも外国人と話していて自らの宗教観を聞かれ「日本人は葬式仏教」と恥ずかしい説明をした経験がありますが、神道・仏教・儒教と武士道形成の連関など我々が日本人のアイデンティティーを再認識できるカギが本書にはふんだんに盛り込まれています。<P>時間をおいて何度か読み返す必要性感じる本。
タイトルのごとく見栄を張って「対訳」を買ってしまいましたが、私の読解力では格調高い英文など理解できようはずもありません。<BR>したがって訳文しか読んでいませんが読み終えて久しぶりに感動しました。<BR>久しぶりに本物の本を読んだという充実感がありました。<P>日本人でありながら日本人を知らない私自身を、あらためて見つめ直す素晴らしい機会を与えてくれました。<BR>元来、私も含め日本人は「舶来」に弱いところがあるようですが、こんな大人物も居たのですね。<BR>日本人を見直してしまいました。<BR>まだ一度しか読んでいません。<BR>これから何度も読み返して私が日本人であることを再認識したいと思っています。<P>最後に見栄を張って一言。<BR>いつかは英文を読みこなしてやるぞ!
-武士道はその表徴たる桜花と同じく、日本の土地に固有の花である。<BR>そう書き始めた新渡戸は、とうとうとその誇り高き桜花の香りを歌った。<BR>その筆に込めたる新渡戸の誇りが、何よりその桜花の香りを体現している。<BR>-百世の後その習慣が葬られ、その名さえ忘らるる日至るとも、その香は「路辺に立ちて眺めやれば」遠き彼方の見えざる丘から風に漂うて来るであろう。<BR>そう、脈々と生き続けている問題なのだ。武士道とは。<BR>正に、千載不磨の香気、誇りとして。<P>っというか、新渡戸が5千円の顔でなくなるのはあまりにも悲しい。再考を!