本書が提唱している「ひたすら音読する」「ひたすら筆写する」という方法はあまりにもシンプルなので、本書に収録されている教科書の文章以外にも応用可能である。例えば最近評価の高い文脈中心のボキャビル本には例題英文がついているので、そのまま音読・筆写の対象になる。またVOAやインタビューなどを収録したCD教材も同様である。もちろん文法本位、発音本位の学習は必要だと思うが、只管音読、只管筆写はその時点で学習者が持つ潜在的な英語能力を総合的に活性化させるトレーニング方法である。何も「教科書」だけに限る必要はなくこのトレーニングを適用できる場面は、英語力を鋭意向上させるべく努力する学習者ならいくらでも見つけることができるはずである。初心者や中級者に限らず、いまいち伸び悩んでいる学習者や、かなりの間英語から遠ざかっていた方、そして今まさに英語学習に邁進している方が試して自己判断するにたる学習方法だと思う。
この本のウリは、その内容のほとんどを、基本的かつ良質な英文の代名詞たる高 校の教科書から出典しているという点です。その英文をひたすらリーディング、音読、筆写の繰り返しで体の中に取り込んでいく、というのがこの本の趣旨です。 対訳も説明もなく、ただスクリプトと少々の注釈があるだけです。アグレッシブに とにかく何も考えずに基本的な英文を身に付けたい、取り込みたい、という人には お勧めします。この本に何かを「教えてもらおう」という人には向きません。3ヶ 月継続した結果は絶大でした。特にリスニングとリーディングにおいて顕著でした 。発音については、とりあえずCDを真似て音読していれば問題ありません。私の 体験では後からでもテープレコーダーと専門書を使って問題なく矯正できました。<BR>「きちんとした発音で3ヶ月音読したい」という人はやる前に発音を身につけて からでもいいとは思いますが、それほどナーバスになる必要はないと思います。
この本は「音読を通して」英語回路を身につけようという本です。最初からいきなり音読です。この本が上級者用だからではありません。入門編でもいきなり音読です。音読とは英語を声に出して読む、つまり発音することです。ところが、英語にはTH、Lなど意識的に学ばなければ成人学習者は音の出し方がよくわからないものがいろいろあります。その説明も無しにいきなり音読ですか?この本は「良い発音を身につける」ための本ではありませんが、この本のどこにも「発音は重要なので音読を始める前に必ず発音の基礎を習得してください」とは書いてありません。いきなり音読です。発音は「別に」ではなく「先に」レッスンすべきです。なぜなら、発音と音読は別物ではなく、発音が音読の基礎だからです。基礎を飛ばして音読しても、それは「正しく音読できていない」ということです。間違ってしようと、正しくしようと同じ英文を音読する時間は一緒です。できあがる英語回路も同じです。違いは、後々いざ英語回路を使って話したときに通じるかどうかです。つまり、「最初に英語の『発音回路』をつくっておけば後々矯正するのに苦労しない」ということです。(シリーズ第4弾、音読準備編としてどうでしょう?)