いま、まさにアレンブームである。<BR>小生もいろいろなアレンを読んでいるが、この訳者のアレンが一番自然に胸に落ちる。<P>科学技術などの専門書と違い、自己啓発書は「心」を扱う表現が頻出するので、「原文に忠実な訳」よりも「素直に理解できる日本語」であることが求められる。<P>この訳者は「翻訳家になろう」としたのではなく、「人にとって気づきとは何か」を自分で求めているうちにアレンに到達したとプロフィールに表記されているが、なるほど、さもありなんである。<P>自分を偉そうに見せることより、読者を幸せにすることを第一義とするのが、物書きの仁義であることを、いまさらながら教えてもらった感がある。
目次を見れば、この本のメインである10のステップが何かはすぐにわかる。<BR>しかし、大事なのは、一つ一つの言葉や態度に、どのような心の姿勢が表れているかについて書かれている部分を、自分の心と付け合せて考えることだと思う。<P>また、10のステップをはさんで書かれている心と現実の関係や、心が及ぼす原因と結果の関係もわかりやすく納得できる内容である。<P>個人的には、「原因と結果の法則」の訳に馴染めない感があったが、こちらは違和感なく読める本に仕上がっている点に好感が持てる。
「原因」と「結果」の法則の著者ジェームス・アレンの啓発本。<P> 「思い」が現実をつくる、という考えは、ダイアーやナポレオンヒルと同様の考え方で、「心の癖」をいかになおしていくかが重要と説いている。<P> 本書の特徴は、「心」が大切ですよ、と諭すだけでなく、上向きな人生を始めるための10のステップを具体的に提示しているところだろう。<P> ここに書かれた3つのレッスン、10のステップは、当たり前のことながら、なかなか本気で取り組んだことの無いことばかりで、ちょっと気をつけるだけでも、人生が善循環に入っていく様な感じがしてくる。<P> 啓発本をいくら読んでも、実践しなければ何も変わらない。本書は、その第一歩を踏み出すためのものとして適していよう。