普段何気なく使っている接続詞の論理的意味合いと、それを文章の中にどう配置して論理的な文章を組み立てるか、また論拠と結論の位置関係と全体の構造はどうであるか、といった、しっかりした論理構造を頭の中に設計できるようになるための基本的技術を扱った本。とても読みやすい上に練習問題もついている。<P> ただし本書を読んだからといって日常の思考様式が劇的に変化するというわけではない。何かを論理的に分析、批評する際のツールとしての、接続詞と文章構造に着目する「ロジカルシンキング」であり、それは特に「論理的」である必要のあるシチュエーション(論文を読む・書く、ディベート等)で十分に威力が発揮されるべきだ、と筆者も述べている。なので、ケンカのときに「君の接続詞の使用方法は間違っている」などと糾弾してはいけない。
昔から「国語」が得意だった。しかし「技術としての国語」を教える教師には、高校で予備校に行くまで出会えなかった。小学校・中学校の国語教師は「国語は感覚の学問」だ、などと言っていた。しかし。当然のことだが「問題」や「試験」として出されるものに「解答」がないはずはない。<P>本書は、このような「国語」に関する誤解を解く一助となるだろう。接続詞ひとつをとっても、「なぜその接続詞を選ぶのか」の理由があることを説明する。<P>そういう意味で、わかりやすく、役に立つ本だろうとは言えるのだが、レベル的に高いものではない。昔、駿台予備校に、A、Bの記号を使って国語を教える藤田という教師がいた(今も現役なのかもしれない)。レベル的には、この教師の書いたサブテキストを易しくした感じ。つまりは高校1、2年生の副読本という感じになっている。「国語好き」がわざわざ買って読むような本ではないだろう。
小説や説明文などの一部を抜粋し、空欄になっている接続詞を埋めたり、接続詞の前と後の文章のつながりを考えるといったような問題が殆どを占める。<BR>まるで国語のテストのようだ。<BR>問題を読み込んで、じっくりと筋道立てて考える、と言う意味の「論理トレーニング」であって、「どうすれば論理的思考が身につくか」という本ではない。<P>そういう意味では、「読んだ後すぐに使える即戦力」にはならない気がする。