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| 膠原病診療ノート―症例の分析、文献の考察、実践への手引き
(
三森 明夫
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日本で膠原病を勉強するときもっともためになるのはこの本でしょう。研修医が質問したいことは、ほぼ網羅されているし、専門家としても、症例の提示から最新の知見まで語りかけるような論法で記述されているため、大変わかりやすい。入門書としても、病棟に一つ置いておくものとしても、これに勝るものはないでしょう。 膠原病専門医だけではなく関連領域の医師にも有用です。記載は非常に具体的で、「こんなときどの検査をオーダーすればよいか」、「鑑別診断は何か」など迷った時にこの本を見ると大抵解決します。専門家と非専門家の違いは、細かい知識やコツといったほんのちょっとの差にあると思うのですが、三森先生も「現場で方針の分かれ道になるような違いは、技芸一般がそうであるように、しばしば細部にある」と書いておられます。これだけでも、この本の内容が多数の臨床経験に裏付けられていることがわかります。膠原病の最も優れた臨床指針としてお薦めします。
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