この本を読破すればかなりの実力がつくと思う。<BR>なぜならまず1節の構成が<BR>1.テーマ+その大まかな説明<BR>2.テーマに沿った英語長文<BR>3.長文のすばらしい解説<BR>4.この節に対しての先生、生徒の質問、対談<BR>5.英文の模範和訳<BR>と非常に完成されたサイクルができていること。<BR>1で視点を絞ることができるし、ほぼ全文をカバーしてくれる3は<P>自分の和訳のズレを的確に正してくれる。そして補足としての4は<BR>いざ実践で対峙してみて発生してしまう「謎」もカバーしてくれる。<BR>強いて難点を挙げるとすれば本書内、パート1からの英文の引用が多いこと。<BR>必然的に1巻から、さらに最初からやらなければならない。<BR>やろうとしている人は1巻から<P>飽きたり挫折しないようある程度計画的に、読破するつもりで。
伊藤和夫先生というとあの『英文解釈教室』など、やれば確実に力がつくだろうが、難しい本が多いなという印象があった。しかしこの『ビジュアル』は率直に読みやすく、取り付きやすい。実際に伊藤先生自身が『英文解釈教室』が難しいなら『ビジュアル』を手にして欲しいという愛着の感じられる発言をされている。本の構成は読解に必要な文法事項ごとに章立てられ、各章はまずそこで習得すべき文法事項の解説があり、そして例文が掲げられ、それに対する文法的説明が懇切丁寧になされる。そして先生ご本人と思しきI先生と生徒のG君とR君のその章の勉強の感想を話題にした肩の凝らない「対話編」で締めくくられる。この『ビジュアル』は英文解釈を上下二巻で体系的に述べたので、中級者もつまみ食いせず、最初から順を追って読んで欲しいそうだ。各所に先生の英語に関する考え方が散りばめられ、分かりやすく、じっくり取り組め、確実に力がつく上下二冊。
英文解釈に関しては素晴らしい本だと思います。英文解釈教室とこの本とどっちをやるか迷っている人は受験に関してはこっちを薦めます。最近の入試ならずば抜けて難しい問題を出す大学以外はこちらで十分です。この本を全訳してやり通せば東大の和訳はできるくらいの実力はつきます。