大手カメラメーカーで購入客からの苦情処理を長年担当していた著者が、クレーマーたちとの闘いの経験を綴った一冊です。<BR> 理不尽なクレームに対しても毅然とした態度を崩すことなくのぞみ、上司を出せという要求に安易に応じることなく自分のレベルで処理をしようと努める著者の「姿勢」には多くの企業人が学ぶべき点があることは認めます。<P> しかし、数多く披瀝されている経験談から導き出せる経験則的対応マニュアルが明示されていない気がしました。この本はたまたま運が良かったとしか言いようのないようなクレーム処理のエピソードの寄せ集めという印象を持ちました。<P> 暴力団関係者とおぼしき一団に事務所に連れて行かれたエピソードなどはその典型です。対応初日に著者は怪我までさせられたのに二日目には相手の態度が理由も不明なまま突然軟化して苦情が沙汰やみとなってしまいます。この経験談には狐につままれたような思いだけが残ります。類似の事例に応用の利くものとは言えません。<P> それ以外に本書で紹介されている経験談も著者の企業時代の私的な回顧録といった読み物であると思いました。その点は大いに喰い足りなさを感じさせるところでしょう。<P> インターネットの登場で、過激なストーカー的クレーマーは今後ますます増えることでしょう。誠意と冷静をもってしてももう対処しきれなくなっている時代が来ているのかもしれません。クレーマーによって企業の名誉ばかりか対応者の命まで奪われることも珍しくないでしょう。死の恐怖を感じながら苦情処理に追われる企業人が増える中で、本書以上にもっと踏み込んで対処法を明確に示してくれる書のほうがより緊要であると考える人が多いのではないでしょうか。
具体例を書いているし、筆者の文体が大変読みやすい。<BR>クレーム処理を一度でもやったことのある人間なら、うなづける部分もあるだろう。<BR>読みやすすぎて、またあまりにも極端な例なので身近な例という印象は薄かった。<P>筆者はとてもクレーム処理がうまいんだな~なんて、少し感心してしまう本。<P>実際、こんなに上手な人はなかなかいないと思うが、勉強になる部分も少なくないかもしれない。
クレームが体系的に分類されているのは分かりやすくてよかったと思います。但し、読んでいて共感出来る部分はあるものの、新しく何か学べるような所は残念ながらほとんどありませんでした。クレーム対応のストレスで胃が痛い人などは、クレームに対する考え方が変わり、ストレスが少なくなるかもしれません^^