Linuxを愛用し始めてすでに数年が経つ。<BR>使い始めたきっかけは、その驚くまでの安定性とコミュニティの活発さ、<BR>そしてLinusの人柄の良さだった。他にもFreeなOSはいくつも存在する<BR>が、Linusがいなければ僕はLinuxを使う事にはならなかっただろう。<BR>過去の雑誌で彼のインタビューを読んだ時と同様、この自伝からも<P>彼の飄々とした人となりが読みとれて、いちLinuxファンとしてとても<BR>満足している。Linusを所詮は拝金主義者、と言う人がいるが、一体どこ<BR>を読んでそのような事を言えるのであろうか。<BR>少なくとも、そのように言う人は実際にLinuxを使った事が無いので、<BR>Linusの実践した事の偉大さが理解できないのであろう。<P>彼は、その気になれば億万長者になれるにもかかわらず、自らの中立性<BR>を維持するのに必死なため、そうはならなかったのだ。<P>この本を読んだ人は、ぜひLinuxも使ってみてほしい。
リーナス君は.comやITビジネスで成功した諸々のお金の亡者と一緒にしてはいけない。単なる金銭欲とか、名誉欲にかられた人間には、彼がなしえてことを理解できないと思う。彼のオープンなマインドと、ネットを介したコミュニティにおける信頼が基盤にあったからLinuxを作り上げることができたのです。これからの時代の生き方を教えてくれるライフスタイルなのですよ。エンジニアに限らず、人間の生き方のひとつの側面を垣間見させてくれます。
~楽しさを行動の基準に置くことは、これからの人類がとるべき指標かもしれない。~ 著者でありリナックスOSの開発者であるリーナス・トーバルズの初の自叙伝であるこの本の読後には、そのような気分にさせられる。<P> 戦争も大きな貧困もない私たちの世界には余裕があり、娯楽が溢れ、生活は日々より便利になっていく。こういう世界の中で、自分のビジネスや生活を囲い込み、外部の者が入り込めないようにする行動には意味がない。企業や個人のこうした行動は、はっきり言って多くの人がばかばかしいと思っている。<P> だがそう思いながらも、因習や集団としての考えにとらわれ、全てをオープンにするという、大胆に思える行動にはなかなか踏み切れない。しかしリーナスはいかにも楽々とその道を進んだ。そこが同OSの魅力であり、またその道程を書き表したこの本の魅力である。全編に専門用語や難解なプログラミングの話が散りばめられているにも関わらず、山を越え谷を越え、道なき道を踏みこえ、旅を続ける男の冒険談を読んでいるかのような活力と興奮に満ちている。しかし、そこに必要以上の気負いはなく、彼は「だって楽しいから」と淡々とその旅を続けていくだけなのだ。パソコンにあまり馴染みのない人でも、楽しめる1冊であると思う。