CDRWなど大容量記録メディアやネットワークドライブもPC-Card やUSB2などを経由したストレージが主流になった今日では　BIOS　から直接アクセスするにもDOSドライバ自体がメーカーから提供されていることは珍しくなった。しかし、Windows　のフルバックアップをとりたいと、バックアップソフトを購入すると、根本的にはBIOSにDOSプログラムを走らせて機能するものしかない（DOSのマスカレードが進んではいるけども）。IPアドレスが生きているかも、DOSコマンドで調べる。コマンドプロンプトがまるで理解できなくては結局、ハードやOSの持つ特性を最大限に活用できないことに気づかされる。多くのPCユーザはほとんど気にしないことであろうが、いざ気になって焦って本を探しても棚には該当するものが無い。これが現状だ。。。この本はそんなタイムリーな困惑を解消してくれる貴重本。　

	&nbsp;&nbsp;&nbsp;WindowsがいかにGUIを強化しても、コマンドラインインタフェース（コマンドプロンプト）の重要性は変わらない。習熟すればGUIの操作よりもはるかに速い操作ができるし、Windowsの障害時など特定の場面では重要な役割を果たすことになる。<p> &nbsp;&nbsp;&nbsp;本書はWindowsユーザーのためにDOS／コマンドプロンプトでのコマンド操作を解説したものだ。まったくMS-DOSになじみのない人にも使えるように構成されており、コマンドライン操作に特有の用語や基本的な操作、コマンドによるファイル操作といった初歩的な内容から、より進んだ内容としてテキスト編集、自動化処理、環境設定といった分野を取り扱っている。この部分だけを読んでも、GUIではできない処理がコマンドプロンプトを利用することで実現できることがわかるだろう。<p> &nbsp;&nbsp;&nbsp;さらに、コマンドプロンプトでのみ実装している機能について解説しており、特にネットワーク関連のコマンドはサーバー管理者にとって必須の知識であるといえる。知っていれば設定、管理、障害対応に役立つものばかりである。最後の部分ではピュアDOSの扱い方を解説しており、なんらかの折にDOSを使う場合に役立つだろう。またコマンドの一覧を掲載しているので参照用としても非常に利用しやすい。<p> &nbsp;&nbsp;&nbsp;Windowsのサーバー管理はもちろんのこと、DOSを知っていると役立つ場面はまだまだ多い。Windowsの機能を100％使うために、ぜひおすすめしたい1冊である。（斎藤牧人）