思考することがブームになっている。考具という本が流行っているが、あれはマスコミの人にはいいとしても、普通のビジネスマンには物足りない感じがする。ところが本書は、50もの方法が列挙され、その時々で役に立つようにできている。事業を考えたり、ネーミングを考えたり、戦略を考えたり、プレゼンを考えたりと、あらゆる場面で通用する方法が簡単に記されている。この本が良かったので、この本のまえがきに書いてあるように、この著者の他の本も読んでみたが、この本がいちばん読みやすい。考えることの入門書として、この本はふさわしいと思う。
一般的には難しく、理解しにくいことが、わかりやすく噛み砕かれて説明されている。身近な具体例も多く、理解しやすい。他の書はもっと堅く、ある程度の知識や能力が無い者にとっては、理解に苦しむものもあるが、本書はそれらと比べ、より平易で、わかりやすい。誰でもわかるといっても過言ではないと思う。<P> 難しいことを難しく言うのは多くの人ができることであるが、難しいことを簡単に説明することが一番難しいことなのではないであろうか。それを本書では実現している。初心者にとっては最適だと思うし、噛み砕かれたわかりやすい説明を読み終えた時には、すぐに使える知的な知識が頭の中に蓄積され、データベース化されること間違いなしのおすすめ本だ。
本を手にすると、まず1から50までのエンボス加工された数字が目に入った。50の公式がこの本の中に凝縮されていることが端的に分かって面白い。<P> 本書は、筆者がこれまでに当たった莫大な書籍や論文のなかのテクニックを50の方法として抽出し、ビジネスに即役立つよう再編したものである。とはいうものの、50のエッセンスそれぞれが簡潔にまとまっており、軽い気持ちで読んでいてもすんなり頭に入ってくる。筆者によれば、書籍200冊分ぐらいの情報が簡潔にまとまっているとのこと。ビジネス交渉の場面や企画立案で困った際に、思考を手助けしてくれる手法が分かりやすく身につくように思う。<P> また、この本のもう一つのトピックは、50の手法それぞれの解説に誰でも知っている卑近な成功事例(モノやコト)が例示されていることだろう。このことにより、「今、ブームとなっている現象がなぜ成功しているのか」が誰でも理解できる。また、それをお手本に、自分なりの企画を立ててみることも可能になるだろう。<P> そういった意味で、仕事において優れたヒントを求めるビジネスマンのデスク本としてだけではなく、ヒットしたモノ・コトに興味のある方の手軽な謎解き本としても、幅広く活躍する本だと感じた。