ネット上のコミュニティについての歴史や分類、問題点、ビジネスモデルなど、とてもよくまとまっていて参考になる一冊だと思います。<BR>入門と銘打っているとおり、一つ一つはそれほど突っ込んでいないし、詳細な分析データが掲載されているものではありません。<P>ネットコミュニティは魔法のマーケティングツールでもなければ、悪の巣窟でもありません。的確な設計とケアを行っていけば、さまざまなビジネスの場で開花する可能性を持つ、すばらしいツールになると思います。<P>現在ではネットコミュニティそのものは無料が一般的で、ビジネスというイメージではありません。でも、これからたくさんのアイディアやツールが出てきて、ネットの持つパワーがビジネスとしても広がっていくことでしょう。本書はそんな未来を感じさせてくれる内容でした。
タイトルに「入門」とあるように、ネットコミュニティに関する基礎的な概念・知識・ビジネス応用例などを知りたい場合にはすごくいい本だと思います。<BR>ネットコミュニティという概念自体がまだきちんと確立されたものではないので、ネットコミュニティに焦点を当て、さらにビジネスの観点からの考察が多い、という点で本書は非常に貴重だと思います。<P>個人的に第4章の『ネットコミュニティの現場』からはとても面白いと思います。成功しているネットコミュニティ主催者は一見同じような考え方を持っているようでも、実は細かい部分で意見の相違などがあり、とても興味深いです。現場ならではの「声」を聞ける点でも本書は特徴のある本と言えそうです。<P>ただし本書はあくまで「入門書」としての位置づけとしては良いでしょう。次世代型コミュニティとは何か?次に成功が期待される新しいコミュニティモデルは?など、コミュニティの高い次元に対しての問いに答えている本ではありません。ですが、そのような問いを持っている人にとっても、もう一度「コミュニケーションとはそもそも何か」という点からコミュニティを考え直す際に、本書が手助けになることは間違いありません。