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経営のための直感的統計学 ( 吉田 耕作 )

具体的な例を挙げて、わかりやすく解説してるところは、立派。経営学部にはこれぐらい親切な方がいいでしょう。<BR>ただし、ある程度の理解力を持った経済学部の学生たちの教科書には、簡単すぎて使えません。そう言う場合、「知の統計学」福井幸男著がオススメ。

大学時代から統計学を勉強するのには苦労させられてきました。授業では分からないし、本屋で統計の本を探してみても分かりにくいものばかり。それに比べ、この本はとても分かりやすくてスーと頭の中に入ってくるようにして勉強できます。こんな本がもっと早くあったら私の統計の成績ももっと良かったのではと思ってしまうような本です。

昨年私は、吉田先生の統計学の授業を受けました。彼の口ぐせは、「お金持ちになりたいですか?なりたかったら統計学を学びましょう!」というものでした。この言葉には、彼が何十年という歳月を費やした、アメリカでの経験によるものです。吉田教授は、あの戦後日本経済復興の陰の立役者、デミング博士の直系の弟子であり、単なる統計学(数学の一分野としての統計学)の専門家ではなく、統計学というものを、どのように経営に活かすか、ということについて精通している方です。実際、経営関係の学部、あるいは経営者の方は、会計学を学んでいる方が多いのではないでしょうか。このことについて、吉田教授は、会計学は詳細的見地に立つものであり、統計学は直感的・全体的見地に立つものだという明確な違!を与えてくれています。実際、経営に関する数字を見て、直感的に意思決定ができる、そのようなことを目標とした統計学が本書で学ぶことができるのです。本書は、数学が苦手な人でも、そうつっかえることなく読みこなせるものだと思います。できれば、本書を熟読した後、彼の書いた、アメリカで定評のあるテキスト『Elementary Statistics For Business and Economics』を読むことをお勧めします。

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経営のための直感的統計学&nbsp;&nbsp;&nbsp;市場予測や工場の生産管理など、統計的手法は企業活動のさまざまな場面で利用されている。しかし、文科系出身者を中心に統計学を苦手としている人は多いのではないだろうか。本書は、アメリカの大学の経営学部で長年にわたり統計学を教えてきた著者が、「数学で平均以下の人たち」に向けて著した入門書である。 <p>&nbsp;&nbsp;&nbsp;著者は、経営に用いられる統計学を「ビジネスの現状把握のために、色々な現実のデータを集めて、代表値やばらつき度を計算することにより、その調査対象の全体像を得るための手法」と定義する。本書では、パレート図やヒストグラムといったさまざまな図やグラフに始まり、正規分布や推定、回帰など、ビジネスで最低限必要な統計学の基礎をひととおり網羅している。そして、それぞれの概念や手法がどのような意味を持つのか、タイトルどおり読者が直感的に理解できるように説明されている。特に、管理図の説明に1章を当てるなど、「ばらつき」が経営に与える影響に力点を置いているのが特徴である。また各章のタイトルも、たとえば回帰直線の章が「風が吹いたら桶屋はもうかるか」と付けられるなど、ユニークなものになっている。 <p>&nbsp;&nbsp;&nbsp;一般に大学の教授が著した統計学の教科書は、独学で使うには難解なものが多いが、本書は理論を決して犠牲にすることなく、読者の理解を助けるためのさまざまな工夫が凝らされている。業務で統計の知識が求められるビジネスパーソンや、これから統計学を学ぼうとする文科系学生などにおすすめしたい。 (戸田圭司)
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