モンゴル人に聞くとこの民話の舞台は内モンゴルなのだそうだ。<BR>なるほど、絵の中に中国が見える。モンゴルでの馬頭琴にまつわる民話とは少し内容が異なるようで、モンゴル民話の日本版と言えようか。<P>馬頭琴の演奏を聞く機会が何度かあり、大草原に響きわたる二弦の音色に触れる度に、スーホーの白い馬の話と重なる。哀しい音色である。哀しい話である。アジアの民話が形をかえているとはいえ、読者が未知の世界に、こころの内面からいざなわれる絵本である。
小さいころ入会していた回覧文庫(?)の中に、この本が入っていました。<BR>草原の民に対する不思議なロマンを抱えながら、1週間で返却しなくてはならないために何度も何度も読みかえした記憶があります。<P>大人になってふと思い出し、購入してみました。<BR>やっぱりすばらしかった。<BR>何度読んでも泣けてしまいます。
馬頭琴。胡弓のような楽器ですね。哀愁ある音色の出る、モンゴルの弦楽器<BR>です。たぶん、形的には三味線のような感じで、音はバイオリンをアジア調<BR>に、哀しくした感じでしょうか。<BR>ともあれ、悲しくて美しい民話です。回帰性があって「おっかあと息子」の<BR>多い日本の民話とはまったく違った趣があります。<BR>一度読んでおくといい絵本だと思います。