高杉晋作は「志ある者が80人集まったのだから十分だ」と言ったんですね。これを読んだ時,ボロっと涙が出ました。このように良識と勇気を持つ人達が終結し実を結ぶ事もあるのだと知ると,ああ,やっぱり人を信じていいのだなぁ」と安堵の気持ちが沸いてくるんですね。私の涙を言葉に翻訳すると、そういう事になるように思います。優れたリーダーとは,人の良心を信じる勇気を持ち、それを結集できる人なんですねえ。頑張ろうと思います。
坂本竜馬、高杉晋作、土方歳三など、主要登場人物の気概ある生涯と時代背景が安定した描写力とともによくまとめられています。各章の終わりごとに、番外編として歴史の「もしも…」コーナーを設けているので、ただの堅苦しい学習マンガに終わらずに済んでいます。土方歳三が函館で戦死するくだりに市村鉄之助もしっかり登場するなど、通り一遍の歴史解説だけでないのが本書の魅力の一つだと思います。小泉首相はじめ現閣僚に求められる政治のセンスが、本書で紹介されている、「為政清明」政治に携わる者は私心を捨てて尽くさなくてはならないという大久保利通のモットーや、「政治はアートなり。サイエンスにあらず。巧みに政治を行い、巧みに人心を収めるのは、実学をもち広く世の中のことに習熟している人ができるのである。決して机上の空論をもてあそぶ人間ではない」陸奥宗光の言葉に表れているように思われます。
人気シリーズの劇画化。<BR>価格とヴォリュームのバランスはこんなもんかな、と。<P>テーマの選び方については できれば徳川慶喜をいれて欲しかったとか、榎本武揚なんかが入れば面白かったんじゃないかとか、西郷がいないなあとか、挙げればきりがないけれどこれはしょうがないだろう。<P>陸奥宗光をとりあげたのには好感が持てる。<P>入試なんかでは頻出とは言え、日本に果たしてくれた役割に比べればマイナーな印象があるから。<P>とは言え やはりマンガ。<BR>マンガのいいところは服装や背景などがわかりやすいところなんだけれど、この場合 テーマが複数でかつ著者がそれぞれちがうために同じ人物が複数の章でちがう絵で描かれているため やや印象がつかみにくい。<P>それに活字に比べると紙面を取るためどうしてもあらすじだけになってしまう。これはまあ仕方ないか。<P>新幹線のお供にして、そのまま持ち帰って中学受験や高校受験を控えた息子さんのお土産にするという使い方がベストだと思う。