この本は、明治時代に「西国立志編」の名で、当時の若者に広く読まれ深い影響を与えたそうです。<BR>内容は、まさに題名のとおり「自助」について書かれています。自助とは、読んで字の如く、自らを自らの努力によって助けるということです。そして自助によって人生をより豊かなものにしようということを、膨大な実例とともに繰り返し述べています。<P>スポ根は古い、努力することはダサいと考えられがちな現代において、この本は、努力のすばらしさを改めて教えてくれます。<BR>私は、落ち込んだとき、自分に自信がなくなったときなど、この本を読み返しては、自助の精神とともに新たに歩んでゆく勇気をもらっています。皆さんも是非一読してみてください。
天は自ら助くる者を助く。大英帝国の威光華やかなりしとき、<BR>そこには数々の英雄が現れた。彼らは己の才能だけで成り上がった<BR>のではない。運が良かっただけでもない。親の七光りだけでもない。<BR>ただひたすら勤勉、努力、忍耐、誠実、現在では泥臭いとされる<BR>克己心にて自ら栄光を勝ち取ったのだ。このような人材が綺羅星の<BR>ごとく現れたからこそ、英国は太陽の沈まぬ国と言われたのだろう。<BR><BR>この本には数々の英雄たちが歯を食いしばって生き抜いた行為が書かれており、<BR>通常の成功譚とは違う何か人を駆り立てるものを持っている。<BR>彼らの目的に向かってひたすら努力するさまはただただ尊いばかり。<BR>数々の英雄たちの行為を読んでいくと、自分が持っていた怠惰の<BR>心に恥ずかしくなっ。
ヴィクトリア期、絶頂の頃の英国において書かれた世界的な道徳の名著が本書:『自助論』である。本書を通じて繁栄する国家の国民とはどのようなものかということが、本書を通じて感じられるであろうし、停滞する日本の人々がいかに本書の理想とする人間像から離れているかも見て取れると思われる。<P>「国家の価値や力は国の制度ではなく国民の質によって決定される」と冒頭でスマイルズは記しているが、個人としては自立・改善の努力をなんらせず、ただただ国家にのみ改革・改善をもとめたのでは、豊かな社会の到来など到底望むことは出来ない。個人の集合体としての国家・社会とは結局のところ個人が自己をいかに支配するかによって本質的には左右されるものであって、国家のレベルにおいて法律・政策を!化させるだけでは小手先の改革に終わるとスマイルズは指摘する。そうした自立した個人が努力することによってのみよりよき社会がやってくると考えたスマイルズは、あるべき人間の模範として、自己修養に勤めた数百人の偉人を具体的に挙げ、彼らの生き様を生々しく描いている。<P>現在の日本人が忘れてしまった心意気が本書のなかには沢山詰まっていると思われるし、時代の閉塞感を打破するためにも必読の一冊であると考える。