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| イリヤの空、UFOの夏〈その2〉
(
秋山 瑞人
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なんといっても文章のパワー。<BR>時間を忘れて一気読みさせる力がそこにある。 「イリヤ」の第二巻という事で、買ったこの本。一巻の終わりで読者を<BR>惹きつけるだけ、惹きつけといた分の価値が十二分にある作品だと思う。<P>書き込んでおいて言うのもなんだが、とりあえず読んでみてと言いたくなる本。ただ、この小説、何巻まで続くのか分からないが、隔月発売の雑誌の中でさらに一号置きの連載(だったと思う。違ってたらすいません)なので、次の巻がいつの発売かが・・・。 秋山瑞人は鬼才と形容されがちである。鬼才、という言葉の正確な定義はともかくとして、確かにアキヤマは、違う。その圧倒的な語り口、緩急自在の謎とナルホドの出し入れ、どれもこれも尋常ではない。しかし、その「違い」は、どれもみな我々にも「わかる」どころか「親しい」とさえ言えることを描き出すために費やされる。その意味ではアキヤマはむしろ通俗だ。大通俗だ。だからこそ我々は、これほどに気持ちよく心を震わせることが許されるのだ。
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