今回も哀しい話ばかりである。<BR>特に「パスタの国の王子様」は、少女だけでなく、教官の哀しさも伝わってくる。<BR>ただ、不幸自慢話で終始しない点が、この漫画の良いところ。<BR>少女達は不幸でもあるが、また幸福でもあるということを忘れてはいけないかと。<BR>見る者が不幸だと思っても、当事者が不幸とは限らない。<BR>これについても、作中にて以下の台詞がある。<BR>「私がサミシイかどうかは 私が決めるの」<P>それでも、やはり哀しい話である。
徐々に登場人物が増えてくるのですが、この二巻で登場する少女たちのパートナーはどちらかと言うと彼女たちに対して冷たいです。<BR>「条件付け」と呼ばれる洗脳の副作用で、徐々に記憶を失っていく少女たち。どれだけ彼女たちに優しく接しようと、その思い出は副作用で崩壊していく。そのジレンマに挟まれて苦悩するパートナー達。<P>身勝手な大人と言ってしまえばそれまでなのですが、その一言では片づけられない何かを垣間見る事が出来るのは、僕も歳をとったからなんでしょうかねぇ・・・。
つらく悲しい過去と今を背負った少女達の物語の続編。<BR>前巻で焦点が当てられた、ヘンリエッタ、リコ、トリエラに加え、この巻から新たに、クラエス、アンジェリカが登場してますます暗く沈んだ話が展開されます。<BR>それでも、時折出てくる少女達の日常と笑顔をみていると、この作品が暗い方向に進まないことを物語っています。<P>『毎日は過酷だが、不幸ではない』<BR>彼女たちの毎日の先に何があるのか、先の展開が非常に気になる作品です。