秋山瑞人様<P>全4冊を読み終えました。素晴らしい。。。<BR>しばらく余韻を反芻してるうちに作者のあなたが決して語らないであろうことが、既に作中に語られてることに思いを馳せ、深く納得してる次第です。<P>でも。<P>物語は既に完結していて、全てが私たち読者に委ねられてるのではなかろうかと思うと、私は何種類かの表情を同時に作り上げてしまい、そんな貌は数人にしか見せたことが無いことに気付いたりして、何だか懐かしい不思議な気持ちが湧いてきます。<P>文字という味気ない世界が、細部まで精緻なスゴイ魔法が仕掛けられ、立体的にありありとキャラクターとその世界が間違いなく本当に動いてました。動く、喋る、迷う、笑う、泣く、食べる、寝る、苦悩する、怒る、絶望する、求め合う、夏の匂い、!空の色、体温、手触り、皮膚感。文字なのにページにウィンドウがあって、その向こうで「生きている!」 たくさんの読者が、浅羽の瞳、伊里野の瞳と、自分の瞳を合わせ、至福感に陶然とするでしょう。<P>読了後に胸に残る残響は、幾たびかの逡巡を経て、必ずこう辿り着くのではないでしょうか。<P>「この本を読んでよかった」
誰も正しくないし、誰も間違っていない。<BR>正も悪もない世界、それがどれほど残酷でやるせないか。<P>あの生涯一度の夏もただ過ぎゆく。<BR>残された少年は、自らの手でその夏を「終わらせる」ことを選ぶ。<BR>少女の空のどこからでも、それを見つけられるように。<P>ハッピーエンド。バッドエンド。<BR>そんな二極では測れない、ボーイ・ミーツ・ガール。
ああ、もう夏は終わったんだな、そう感じずにはいられない作品でした。<BR>「イリヤの空 UFOの夏」は当初、駒都え~じさんの挿絵を目当てに買っていたのですが、ストーリーがその3から一気に爆発。その4を読み終わったときには本当に「やられた!」と思いました。秋山さんの伏線の張り方とか、言葉の畳み掛け方とか、脱帽の一言です。その1もその2も、全てはこのためだったんだな、と、今になって思います。<P>この方は文章が本当にうまい。読者の心を引き込み、かき乱し、浸らせる。涙なしでは語れない、タイトルの意味を感じたとき思いっきり叫びたくなる、そんな物語。個人的には久々の殿堂入り小説です。<P>秋山ファンもそうでない方も、これは読みましょう!激お勧めです。