人間生きているとどうでもいい小さなことでくよくよと悩んだりする。そんな時、この本に出てくる岡本太郎語録は生きてくる。悩みがあればその悩みに飛び込んで歓迎してやれ、というおおらかな気持ちになってくる。が、文章の中の一部分の文を切り取って集めた構成になっているので、この本とは別に、まとまった形での文章を読むこともお勧めします。岡本太郎の頭の良さとか文才があることなどがもっとよくわかると思います。そして他人が作った既成の価値にしばられず、生まれたままの自分の目でものごとを見よう、という哲学についてもっと深く理解できるだろう。一時期テレビに出てたときの影響でちょっとヘンなおじさんくらいのイメージしかない人は特に・・・。
私は「太郎に訊け!」1~3巻と「自分の中に毒を持て」(どちらも岡本太郎氏著)を読み終えた状態でこの本を購入しました。<P>すると、出てくる言葉はほとんど見たことのあるものばかり。新しいものを期待していた私には物足りなかったです。<P>名言がまとめられているのでもちろん内容は良いし、折に触れて岡本太郎氏から力をもらいたいと思っている方には必携の一冊かもしれません。でも他の本を既に読んでいて、岡本太郎氏の言葉が体にしみこんでいる方なら、あえて買う必要も無いと思います。「繰り返し」ですから。
この本は岡本太郎さんの発言を抜粋したものであるが、読んでいると、まるで生きている彼と対話しているような不思議な気分になる。太郎さんのコトバは、誰にでも優しいわけではない。一生懸命生きようとしている人だけに太郎さんは味方する。その点で読者を選ぶと思う。確かに言える事は、辛ければ辛い時ほど、苦しければ苦しい時ほど、この本は読んだ人にパワーをくれるということだ。孤独や不安や苦しみや恐怖という津波が僕らを襲って来た時に、サーフボードを持ってその波と大声で笑いながらイノチガケで遊ぶことを教えてくれる、そんな一冊である。