予定を変更してまで、何度も涙を流しながら続けて上下巻読み切った。<BR>昨今、新聞やニュースで幼児虐待問題はよく取り沙汰されている。<BR>皆に読んでもらいたい。そして自分なりに考えてもらいたい。<P>以前駅のお手洗いに入った時、小さな子供を二人連れた若い母親がいた。<P>子供は泣きじゃくっている。母親は大声をあげながら子供を何度も殴っていた。泣くと更に殴る・・。<BR>理由はトイレをうまくできず、洋服を汚してしまったからだそうだ。<BR>私を含め、そのトイレ内に10人程いたが、誰一人として声をかけるものはいなかった。<BR>数分後、母親は駅の構内一人でを走っていた。<P>その数メートル後ろを子供達が泣きながら追いかけていた。<BR>たまたま母親の虫の居所がわるかっただけかもしれない。<BR>し!かし私には未だに後悔の念が残っている。<BR>救いの手を差し出す事はできたのではないか・・・と。
久しぶりに、数年ぶりに、読んだ小説がこれでした。涙がとまりませんでした。書評では最高傑作ミステリーと言われていますが、私にとっては、ラブストーリーとして最高傑作でした。
途中で幾度も怖くなって読みつづけることができなくなりました。すごいリアリティに、自分自身や周りの家族、友人達に当てはめて考えらるを得ず、背筋が寒くなる思いでした。人間ってこんなに弱いものなのでしょうか。登場人物の経験は、誰でも何度か身に覚えがあると思います。それがこんな風な結末に結びついてしまうとすると・・・。自らの人生観を律せざるを得ない。