論文の書き方や,<BR>マナーについて,<BR>つぶやくような口調で,<BR>説明してくれます。<P>「働きながら通学する社会人学生」にとって,<BR>お薦めの一冊といえます。<P>読んでいて,<BR>ほとんど飽きません。<BR>お気に入りの文章を以下に列挙します。<P>「君は詩人なのか?<BR>それなら,<BR>君は学位を取得するには及ぶまい」(p179)<P>「論文を書くという仕事が,<BR>歴史的,理論的,技術的知識を習得したりするための,<BR>持ちうる最後の好機となるであろうことは明白だからである」(p42)<P>「潜在的には君は人類宛てに一冊の本を書いたのだ」(p174)<P>「他人の様々な意見を解釈し,<BR>様々な難点を指摘し,<BR>所与のテーマについては相異なるさまざまな回答が<BR>可能なことをひとたび明らかにした以上は,<BR>突進したまえ」(p222)<P>「論文は一種の挑戦として一身に受け止める必要がある。<BR>挑戦者は君なのだ。<BR>君に当初,<BR>課せられたのは,<BR>まだ答えるすべを知らなかった問題である。<BR>無数の手を活用して解決策を見つけなければならない」(p257)
例えば問題意識なし・専門領域への興味なしという学生が卒業資格を得るためだけの目的で論文を書く羽目になった!という時に非常に役に立つお助け本。。。<P>何から手をつけて良いか分からないという人を対象に、論文を書くとはどういうことか?論文テーマはどうやって見つければよいのか?何を準備しなければならないか?から、図書館の利用方法や、具体的にどう書けば良いか?までを懇切丁寧に解説してくれている。ただし、対象は文系の学生です。<P>本書を読んで首尾良く卒業資格を得たらさっさと捨てるもよし、知的好奇心に目覚めたら研究者への道に進むもよし。。。幅広い人を対象にした学生必携本です。<P>著者はイタリア人であるため日本の学生には参考にならない点も見受けられる。実際に書く段にな!ったら、日本人の執筆した論文入門書も併せて参照するとよいでしょう。
レポート作成や論文作成のガイド本はたくさんありますが、この本がいち押しです。それは、この本が単なるマニュアル本ではないからです。論文作法という名前ですが、論文を書くための一連の作業(テーマ設定・調査・資料収集・研究・構成・執筆など)を通じて、一つのことを深く考える技術を伝えている本です。このような意味では、本書が当初対象としていたイタリアの文系の学生のみならず、他の分野の学生およびなにかを研究していこうとする人びとには、大変有用な本です。