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病むアメリカ、滅びゆく西洋 ( パトリック・J. ブキャナン Patrick J. Buchanan 宮崎 哲弥 )

「病むアメリカ」とは具体的には、「キリスト教倫理から見たアメリカ社会の退廃」(例えば、人工中絶や同性愛問題)であり、「滅びゆく西洋」とは、「欧米が少子化・高齢化によって、人口爆発するアジア・イスラム文明にその地位を乗っ取られてしまう」ということを意味している。本書は、伝統的なアメリカの保守派による憂国の書である。 <P>おそらくは、「国力は人口に正比例する」という観点から、本書は西洋諸国の少子化に危機感を募らせることから始まる。そして、ブキャナンはこれらの原因の究極的な根拠を「キリスト教の衰退」と「避妊や人工中絶・同性愛を奨励するリベラルたち」に求め、倫理的(=キリスト教的)な断罪を彼らに下す。 <P>また、ブキャナンは、「すべての文化や宗教は平等である」といった偽善的な言説はもちろんのこと、人種問題や移民問題といった危ないテーマにも容赦なく挑戦する。 <P>あえて、「すべての文明は同等ではない。西洋は最上と目されるものを世界に提示してきた。西洋文明・文化は抜きん出ている」(本書 P314)と断言するブキャナンの姿勢は、彼とイデオロギーを同一にしない人にとっても、痛快ですらあるだろう。

 この著書に共感することは多い。数字、具体例を出して現代アメリカ・西洋がどのような状況にあるのかを説明している点が非常にわかりやすい。<P> 著者は、内政では文化・民族の多角化には反対するという、伝統的保守主義の立場をとる。一方、外交では他国への介入を避け、アメリカの「世界の警察官」には反対という立場をとる。内政面では右という感じは受けるが、外交ではモンロー主義を感じることができる。<P>内容に関しては、タイトル通りのまま。少子化が進み国家存続の危機に瀕している西洋。不法移民の進入、キリスト教文化の退廃で従来の価値観・文化が消滅して行き場を失っているアメリカ。この西洋とアメリカの危機的状態をわかりやすく説明している。

著者は西洋諸国が、4つの脅威<①人口減少→②異なる人種・文化の大量移民・移入(これが西洋を根底から変化する)→③西洋の伝統・宗教・道徳に根深い憎悪を抱く反西洋文化の台頭(これが西洋を分裂する)→④地球規模国家樹立に向けた国家解体と政府エリートの背信行為>に直面していると言う。そして、こうした脅威が生まれた背景は“神は存在しない。この世に絶対的価値など無い。科学で解明されない事象はない。”という新教義(=文化掌握型共産革命)が支えるライフスタイルだと分析し、「権力掌握から文化掌握への方針変更がもたらした革命成功に数世代を要したと言うことは、革命打倒にも数世代かかる」と予想する。さらに、「最大の激戦地は政治ではなく、倫理・英知・精神の場である。そして㡊??戦況を左右するのは議会よりも学校・メディア・最高裁となる。なぜなら、戦利品は若者の魂だから。」と分析する。著者は、「革命打倒には本来の宗教の復権が必要だ。」と主張しているようだ。しかし、私は過去の宗教を棚卸しするのではなく、シュタイナーが「教育の基礎としての一般人間学」等で説いた『霊・魂・体』のバランスを復権する新文化を創造することが必要だと考える。本書は人類に対する真摯な警告の書でもある。

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