ハードカバーのこの本は、はじめに古代でどのように石が使われていたかなどを、古代文明順に解説してあります。そして、331種類もの鉱物を、全てカラーの写真つきで解説してあります。名称、日本名、成分、モース硬度、産地、どのような場所にどのような状態で採掘されるか、名称の由来など、ほぼ鉱物についての全ての知識を掲載してあります。パワーストーンとしての力の説明も勿論あり、あらゆるオンラインショップでもこの本からの引用がよく見られます。パワーストーンとしての意味も、現在のものと平行して、「古代は皮膚病や不眠の解消に用いられた」などの記述もあります。ただ、鉱物初心者の私としては、結晶系として説明される「等軸、正方、斜方」等の言葉や、晶癖の分類の「腎臓状、樹枝状」、断口の分類の「貝殻状、多片状」など、多くの耳慣れない単語が多用されていて、読むのに戸惑いました。そして、鉱物の写真も、全てが原石状態での撮影なので、店頭で売っている姿とかけ離れた写真も多く掲載されています。私にはただの黒い石にしか見えない(お恥ずかしながら)ものが7割ほどを占めていました。
本のタイトルの通り、鉱物を成分、硬度、産地、分類等、ひと通り鉱物としての知識を画像入りで図鑑の様に書いた上で、その産地において、その鉱物がどの様に扱われ、どうして力がある(パワーストーン)と言われる様になったのか、古くからの伝承と産地での用いられ方の両面から説明している。半貴石は殆どがパワーストーンとして紹介されている今、「なぜパワーストーンなのか(パワーがあるのか)」を知る事が出来る本。今まで読んだパワーストーンの本では一番冷静かつ客観的に説明されていて購入してとても良かったと思っています。お勧めです。
宝飾品以外の分野の本というと、「鉱物」か「パワーストーン」に大別できると思います。「鉱物」の本は鉱物の産地や成分といったデータ、「パワーストーン」は数十種の人気種(水晶類やラピスラズリなど)のパワーと石にまつわる伝説のみ、というのが定番でした。この本で取り上げられるパワーストーンは300種以上で、その石全てのカラー画像と鉱物データとパワー(古くからの伝承など)が紹介されています。私が知っている限り、日本人が手がけたパワーストーン関係の本で最も集大成したものはこの本ですし、最近パワーストーン関係のネットショップに登場して人気が高いヘミモルファイトもちゃんと紹介されていますし、インターネットをしているとこの本から文章を引用したHPもたくさん見かけます。少々お高めですが、この本は持っていて損はしないでしょう。