~車いすを押してあげたことがある人は多いと思うが、「障害者とどう付き合うか」について真剣に考える機会は少ない.この本の中にその答えがある訳ではないが、多くの人が、死の恐怖と常に戦っている重度障害者の介護を通じて、何か「生きる」ということを感じたらしい.この本は、「異質」ということ「普通」ということを、自分の見方として区別したり、定義~~することが凄く難しくなっている、というきわめて重いテーマについて、哲学的観念的ではなく、鹿野さんの生き様をみながら、あくまでもリアリティを持って考察している.「こうあるべき」という「予定調和」に向けてのルポではなく、著者の考えは揺れながらも、自然にある考えに到達する.そういう意味で切り口は新鮮であり、人間のあるべき姿というわかった~~ようなわかんないようなものを捨てて一度考えてみる動機付けを与えてくれる.本当は☆を十個あげたい.~
この本は、「命輝く」などという清く正しい障害者とボランティアのお涙頂戴の話ではない。ボランティアというと崇高な、障害と闘って生きる人というと、聖人君達。日本人のボランティア感覚は未だにそうした「偏見から抜け出すことが出来ていないのではないか。これを読むことにより、「やっぱりそうだよな。障害者だってエロビデオ見るんだよな」というようなレベルで理解できる。そして介助する側もされる側も、人間くさく奮闘する姿に力もわいてくる。自分も何かやりたくなる1冊。「自分にはまだやるべきことがあるんじゃないかと感じている全ての人にお勧めしたい。
ものすごいインパクトです。読後感のカタルシスはハンパじゃない。乙武クンが世に出てから、ずいぶんと障害者に関する認識は変わってきたと思うけれど、さらにそれを進めるためには本書がもっとブレイクしてくれないかなぁ~、とまで思った一冊です。乙武クンはかっこいいけど、この本の主人公は、かっこ悪くて、独善的で、生臭くて、とにかく人間クサくて、リアリティ100%でせまってきます。<BR> テーマとしては「障害者といっても、エゴもあれば欲もある、普通の煩悩にまみれた人間」であり、「やはり人は、他人を通してしか自分を確認し得ない、それは健常者でも障害者でも一緒」ということでしょうか。<P> それとこの本は、ビッグトゥモローよりも、生きることに対する勇気を与えてくれます。「他人!を頼ってもいいんだ」と素直に自分を肯定できるんですよね。<BR> とにかく元気になれるし、障害を持った方に対する認識もより進化するし、本当に、たくさんの人に読んでほしいルポルタージュです。