この巻で北方三国志は完結するわけですが、北方三国志のこの最終巻は本当にあっという間に読み終えてしまいました。また私の場合は読み終えた後、なぜこんな所で終わるのだろうという思いも出てきました。しかし、北方謙三の別冊三国志において三国志がなぜ孔明の死で終わったのかを聞いた時にその思いの間違いに気づきました。北方氏は三国志は人物の面白さで構成されていると、三国最後の大人物である孔明が死んだ時点で北方三国志は終わりだと。人物の面白さで構成させているからこそ、その人物がいなくなったとみるやその話を終わらせるのだそうです。<BR>なにはともあれ北方三国志の完結は孔明の人生の最後の時と共に終わります。孔明の聡明で可憐な人生を涙なくして読む事はできないと思います。<P>最!後に北方謙三の三国志は本当にお勧めです。吉川栄治の三国志に飽きが来た方はぜひこちらを。
中学に入った頃、親父の本棚をあさってみつけた「吉川三国志」以来、関羽、張飛、劉備の死んでからの三国志は気が抜けたようで、あまり好きではなかった。<P>しかし、北方三国志は違う。”同志”たちに先立たれ一人その志を背負って戦いを続ける孔明には、これまでのずば抜けた天才と言う見方以外の美しさを感じた。「死せる孔明、生ける仲達を走らす」も描かれていないが、戦さを降りた馬超との対比で描かれる孔明の達観したかのような透明な心、気持ちには終盤涙が止まらない。あるいは孔明と馬超は同じ心境にいるのではないかとも感じる。<BR>心新たに、三国志後半の孔明を読んでください。
北方三国志の最終巻。色々特色が出ているとは思いますが、孔明の最後に関しては普通かなと感じています。ただ別の生き方を選んだ馬超がとてもさわやかで幸せそうなのが印象的でしたね。三国志は後半はしんみりしますね。やっぱり。