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おやんなさいよでもつまんないよ ( 松井 道夫 )

証券業界の「風雲児」、松井証券の松井道夫氏の著作。この人の講演をCSで見たことがありますが、強引そうな語り口はどうも苦手なタイプ。しかし言っていることは非常に明快。顧客が証券会社を選ぶんだということ。「金融ビックバン」とインターネットの広がりという時代のタイミングと松井の戦略がうまく合ったんだなぁという印象です。キャラクターは好きにはなれんが、これからも色々やってもらいたいものだと思います。ただ、自分自身は今の松井は利用しません。私の投資スタイルに合いませんので。ま、これこそが松井氏の言う「顧客が選ぶ」ということかと思います。あと、松井が野村を抜こうがなにしようが、客の側からは関係なし。「だからどうしたの?」という感想。暇つぶしに読むには悪くもな㡊??。図表や数字は全然なくて「読み物」としては読みやすいです。ただ、同じようなことが何回も出てきて、内容は濃いとは言えません。当然、直接的に投資に参考になるような内容でもありません。

松井氏の成功談も面白かったですが、金融界の護送船団の実態が私には面白く感じました。証券業界というのは、普通に考えれば、資本主義の最も中枢で、最も競争の激しい部分であると理解していましたが、いわゆる護送船団方式の中では実は最も競争もなく、ただひたすらに顧客の方向ではなく、大蔵省の方向を見ていた業界であるとは知りませんでした。だから、松井道夫氏は「つまんないよ」といわれたわけです。<P>ただ、教育業界で働く私としても、この話は良く分かります。教育にとっての顧客は言うまでもなく、学生であり父母です。でも、実際の改革の際には、滅多なことでは学生父母の方向は見ません。なぜなら全ての<BR>生殺与奪の権利を持っているのは文部科学省だからです。<P>この本を読んで、同じこと!が資本主義の中枢までも蝕んでいたんだなあと思うと同時に、この国は果たして本当に資本主義だったのか?という疑問を持ちました。

本人が「革命児」や「異端児」と呼ばれてどのような思いを抱いているかは別にして、かなり大胆な発言がこの本の端々からほとばしり出てきます。それは著者の「哲学」を表現したものでしょう。<P>「疲れた」脳に刺激を与えたいと思った方にはうってつけの本です。

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おやんなさいよでもつまんないよ&nbsp;&nbsp;&nbsp;信用取引で野村を超え、急成長中のオンライン証券会社、松井証券。本書はその立役者となった社長、松井道夫の初の自伝である。 <p>&nbsp;&nbsp;&nbsp;タイトルの「おやんなさいよ でも つまんないよ」とは、女婿として松井証券の後継者となった著者が、前任者の松井武に言われた言葉である。以来、著者は、それならおもしろくしてやろう、と経営改革に取り組んできた。営業の否定、手数料の大幅値下げ、株式保護預かり口座管理料の無料化…。絶妙なタイミングでドラスティックな改革を実現した松井道夫の経営手法と哲学が本人の力強い言葉で語られている。IT時代だからこそ人間にしかできない技能を磨くべきだとする主張や、顧客中心主義の考え方、「顧客は囲い込めない」という主張は、いまの経営者にとって参考になる部分が多いのではないだろうか。竹を割ったような主張からは、大勢に迎合せず、独自のやり方を貫く松井の反骨精神が伝わってくるようである。 <p>&nbsp;&nbsp;&nbsp;本書にはまた、「自由気ままな放蕩生活に明け暮れた」という学生時代や運輸省に梯子(はしご)を外された経験から規制産業のもろさを学んだという日本郵船時代、妻との結婚から後を継ぐに至るまでの過程などもつづられている。人間・松井道夫を知りたい向きにとっても興味をひかれる1冊であろう。(土井英司)
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