前編「マーケットの魔術師」と同様に、各種先物・オプション、株式、通貨などのマーケットのトップトレーダーに著者がインタビューしたものが書かれている。それらの優秀なトレーダーがそれぞれのトレーディングについてはもちろん、初心者の時の経験、過去に大敗したこと、前職の話などもしているところも興味深い。<P> 巻末には「魔術師たちの金言集四十二か条」なものがあり、エッセンスがまとめられている。例えば重要なこととして、並外れた努力、絶対的な規律、性格とトレーディング手法の一致などが解説付きで述べたられており、役に立った。
マーケット関連の本では最も面白く、役に立つ1冊です。前著「マーケットの魔術師」と同様に著者のジャック・シュワッガーがスーパートレーダーたちへインタビューを行い、その内容がまとめられています。<P> インタビュー対象は、リンダ・ブラッドフォード・ラシュキ、スタンレー・ドラッケンミラー、ウイリアム・エックハートなどキラ星のごとく輝くトレーダーたち。<P> 特にタートルズの創設者であるウイリアム・エックハートのインタビューは注目に値します。エックハートは売買システムをチェックする上で、「ロバスト」(堅牢性)という言葉を用いていますが、おそらく本書が世に出なかったら、この言葉もトレーダーの間で使われることはなかったでしょう。<P> エックハートのインタビューに限らず何度も読む価値のある内容満載です。トレードを行う人なら、座右に置いて何度も何度も繰り返して読むべき1冊と言えるでしょう。
おもしろいことに、皆が人並み外れた収益を誇るトップトレーダー達であるのに、それぞれのマーケットへのアプローチの仕方がときに180度違うこともあるくらい、全くバラバラなのが興味深い。従って、トレード手法をマネするつもりで読むと、難しいかもしれないが、逆に学ぶ範囲も広いだろう。しかし、共通するのは、皆金融以外にも、芸術や高等数学などに精通していて必ず一芸秀でたところがあること、マーケットに対する真摯な態度を持っていることを読者は感じ取ることだろう。また、本書は質問形式なのだが、著者の経験と武智に富んだ質問(ツッコミ?)もすばらしい。思わずウーンとうなってしまう。一見金融上級者向けの本であるが、トップトレーダたちのプロフェッショナリズム、サクセスストーリ、ー心理学・哲学的要素など、幅広い読者が楽しめる非常に充実した内容に仕上がっている。