3人の有名な教授による共著だということで購入してみたが、自分的には少し物足りなさを感じた。本の内容は学部レベルを超えておらず、脳科学を専門にする人にとっては耳に胼胝な感があった。ただ、この本の価格と一般向けに書かれているという点を考えると、買って損は無いように思う。脳に少なからず興味のある大学生にお薦めします。この本の良い点は脳というひとつの対象をMolecular,Systems,Computationalというレベルで多面的に紹介していることだと思う。
著者らの名前を知らない人はほとんどいないくらいの超一流の先生方による啓蒙書。さすがに超一流の先生方の話はひと味もふた味も違う。むずかしい数式や記号がまったくない。それでいて今日までの脳研究の一通りの研究を解説している。これこそが超一流の証明であろう。素人でも安心して読める。ただ興味を持った読者が次に何を読めば良いのか、簡単な教科書レベルの文献を挙げておいて欲しかった。
甘利先生、利根川先生、伊藤先生と、この3人の名前を知らない脳科学研究者は世界にはまずいないでしょう、というくらい有名な先生方の本です。その著者陣の豪華さから迷わず手にとって読んだのですが、脳についてある程度詳しいことを知りたいという人にとってはやや物足りないかもしれません。<BR>内容としてはいわゆる脳科学の知識をまとめたもの、というよりは、気楽に最近の研究成果や脳研究の流れをつづったもの、という感じです。伊藤先生は小脳、利根川先生はノックアウトマウス、甘利先生は数理脳科学と、どちらかというと専門的な分野で狭い範囲の話を取り上げているので、読む人の好みでわかりやすさ・興味の持ち方は大きく変わってくるかも知れません。ただ、脳初心者が安心して読めるようにとてもやさしく書いてあり、読んですぐ理解できるいい本です。