百マス計算・少人数指導・習熟度別指導はすべて「学校の塾化」である。塾は,個人主義的ニーズに応えるサービスだからみな満足するが,全体として学力格差を拡大させ,社会を悪化させている。技量不足の教師には塾化が有効だろうが,塾を真似せずとも学力は向上する,実証データも成功例もある,と言い切る著者。世間一般の思いこみへの真正面からの反論であり,実に興味深い。実践報告について書かれた他の著作も読みたくなった。
日本の小中学校は習熟度別でないので、平等、高校と大学は習熟度別、能力別になってるので平等でないとのことなので、いっそ、佐藤学先生の勤務先である東京大学もすべての学生を受け入れて、協同学習をされたらと思いました。そうすれば圧倒的多数の中程度の学生には大変効果が出るはずですね。でも、トップと最底辺の学生は課外学習で面倒を見ることになるのですね。東京大学も「公教育」なのだから大多数の利益を守らないといけませんからね。<BR>この本は小中学校の先生のために書かれている本だと思いました。<BR>子どものためを考えて書かれたようには思えませんでした。<BR>親は先生が子どもを個人として見てくれることを願っています。<BR>個人としてスキルアップして欲しいし、その中には基礎学習も集団の中でメンバーとしてやっていく能力も含まれます。基礎学習が出来ない、集団の中のお客様にはなって欲しくありません。
「できる子、ふつうの子、できない子」と分けられていることを、小学生たちでも知っている。学力の基礎基本を身につける低学年の時期から、すでに習熟度別(学力別)に編成されることに対して、「本当にそれでいいのだろうか」という素朴な疑問を感じざる得ない。当の現場の教師たちからあまり批判の声が聞こえてこないことに対して、もどかしさを感じる。習熟度別は、「区別」ではなく、明らかな「差別」だと思う。このままでは、子どもたちの心はますます荒んでいく。