幼い子には字も多く話の内容もむつかしいかな、とは思いますが、<BR>細かく描きこまれた絵は、見ているだけで飽きない、すばらしいものです。<P>バージニア・リー・バートン女史が8年もの歳月をかけ完成させた本です。<BR>訳者の石井桃子さんは製作6年目にバートンさんのアトリエを訪れ<BR>絵本の製作過程をご覧なったそうです。<BR>そんなつながりもあり、作者の意図を損なわない、すばらしい訳だと思います。<P>訳者・瀬田貞二さんもご自身の著書の中で(絵本論)<BR>”数ある絵本の中から1冊だけ選ぶとしたら、この本を選ぶ”とおっしゃるくらいです。<P>このようなすばらしい本を手に取り、子どもに見せることが出来るなんて、本当に幸せなことだと思います。
小さいとき、いちばん気に入っていた本かもしれない。あきずに眺めていた。 <P>えんえんと続くような画が好き。丘なんか、交互になってずーと地平線の向こうまで続いていく。 <P>ちょっとフラクタルみたいな感じで、ずーっとキリがないような絵なんです。 <P>でも、お話もそういう風にきりが無い。地球ができて、生命ができて、いろんな時代があって、というのをベルベットのカーテンのついたステージの上で見せてくれるという絵で、舞台の袖にはちゃんと司会者もいるんだけど、それはお芝居ではなくて、本物みたい。恐竜が出てくると、司会者はカーテンの陰に隠れたり。 <P>そしてヒトの登場。どんどん村ができて町ができて、文明が進んで、自動車が走る。 <P>でも、その時間の経過は最初は何百万年ものスケールで、だんだん何万年、何千年、何百年、と小さくなっていき、そして何十年、一年、一ヶ月となっていき、そして今、この一秒一秒、というふうにつながっていく。 <P>科学は情報が新しくないと価値がなくなりますが、この本は生命の歴史だけでなく、時間というものを考えさせてくれます。そして私はその時間というものの「切りの無い」感覚をその絵から感じ取っていたのかもしれません。
小さい頃、何度も読み返した記憶があります。<BR> 今から読み返すと、「カンブリア紀の生物の王者は三葉虫」などと書いてあったり、大陸移動説以前の造山運動を元にして書かれたような記述があったり、恐竜の絶滅に関しても隕石が原因という説を書いてなかったりと情報が古すぎる感もあります。生物がどのようにして生まれたかはかかれていませんが、どんどんと進化していく過程がわかりやすく書かれています。<BR> 科学への入り口としては面白いのではないでしょうか。この本から始まって現在自分が大学で生物学を勉強していることを考えるとこの本のすばらしさを感じますね。<BR> 星五つでもいいのですが、やはり情報が古いことを考えて四つぐらいが妥当でしょう。