ファンタジーとしての面白さはもちろん、「名付ける」ことの意味、逃げるより立ち向かうことで強くなっていく成長の過程など大切な教えがたくさんちりばめられている。
「ハリーポッター」や「ロードオブザリング」のヒット以来、ファンタジーを読んで見ようかという人が増えてますよね。<BR>本屋さんの店頭でもファンタジーのジャンル新しいシリーズが多く見受けられます。<BR>ぼくもファンタジーは子どもの頃から好きだったので、いろいろ読んでいますが、このゲド戦記のシリーズを超える作品にはまだめぐり合っていません。<P>特にこの一巻「影との戦い」では、主人公ゲドの幼少の頃から青年の頃までを描いています。<BR>誰もが心の中に持つ闇やそれを包み込む優しさの豊かな表現は、読むたびに心に響くものがあります。<P>ファンタジーとはどんなものかよく分からず、何か読んでみたいなと思う人は、まずこの本から始めてはどうでしょうか?
まずこの本を読んで感じるのは、著者の想像力の豊かさです。現実にない世界、つまり著者の頭の中にしか存在しない世界をここまで具体的に描写するのは、私たちが考えるよりさらに難しいことだと思います。その鮮やかな描写と主人公の冒険に、大人も子供も引き込まれます。C.S.ルイスのナルニア物語はまだまだおとぎ話という感じですが、ここまで来るとおとぎ話というより立派な冒険物語です。