ゲドの影との戦いから始まり、最後には人と宇宙のかかわり、輪廻など、とても広範囲にわたっての心に響く言葉で織り成された物語。<P>子供はごまかしがきかない相手だが、その子供が、難しい、しかし大切な問題を真正面から冒険とともに向かい合っていけるように書かれたこの物語は、当然大人にとっても面白く、また、栄養になる。<P>行き詰まったときに何度でも読み返したくなる。
入り江ひとつ、小道一本にまで、それぞれ名前を付けられた詳細な地図を練り上げて、グウィンが繰り広げるこのファンタジーは、鋭く、深く大人の女の強く語りかけてくる
ゲド戦記って、最初は思いついたままに書いていたのに、巻が進むたびに社会的なテーマを付け足していったって感じ。<BR> 始めは普通の英雄の話しだったのに、英雄にも日常の生活があって、ごく普通の感情があって、人生の分岐点では現実社会の人間(たとえばサラリーマンなんか)と同じように悩んだりする。<BR> 全体を通して生と死のテーマがあり、後半では男社会や女社会のテーマも加わり、もう普通にリアルな人生よもやま話し。<BR> でも、そんな中に竜がいて、魔法があって、偉大な人物たちが歴史を動かしていく。<BR> 基本的には、純粋にファンタジーを楽しめる作品だと思います。