ギリシアとローマの著述のなかから、名言を選び、対訳形式で載せた文庫。<BR>多くの名言には著者の解説が付され、背景がわかるようになっている。<BR>原文も載っているので、わかる人にはますます面白いのでは?<BR>そのまま人生の指針にしてしまいたくなるような言葉、人生悟っている言葉、<BR>ちょっとひねくれた感じの名言、今も昔も変わらないなあと思える格言など、<BR>いろいろあっておもしろい。<BR>鏡を見て自分が醜かったら頭でカバーしろ、とか、宝石や織物や女の顔は<BR>昼間の明るいときにチェックしろよ、とか、笑えるものも。<BR>戦争に関する言葉などは、「人間って古代から何も進歩してないな」と<BR>実感させられる。<BR>苦しいときに支えとなってくれそうな言葉もある。<BR>やっぱりギリシア・ローマのものは、雄弁な学者などがいたせいか、<BR>言葉がうまい。原典もわかるようになってみたいものである。
古代ギリシアやローマで書かれた膨大な文章にちりばめられた宝石のように輝く言葉を抜き出し、集められた本です。うなってしまうような言葉も、納得してしまうような言葉も、はっとさせられるような言葉も、思わず笑んでしまうような言葉もあって、きっと読んだ人の心を豊かにしてくれることでしょう。哲学がさかんだった時代の言葉たちなので、一度目ではその奥深い意味に気づかなかったけれど後で「そうか」と思い至ることもあります。一つ一つの言葉には編者による解説や考察が付記されており、ギリシア語とラテン語の原文もついています。
岩波文庫のこの名言集シリーズは迷わず買いです。<P>その中でも、今回のギリシア・ローマ名言集は211もの含蓄ある言葉が<BR>並んでおり、ページを開いた瞬間から唸らせられる言葉の連続で、<BR>シリーズの中でも白眉だと思います。薄い文庫ですが、一言、一言<BR>じっくり読む必要があるので長く楽しめます。<P>とにかく、教養の一つとしてギリシア・ローマの言葉を文庫で気軽に<BR>読めるのは嬉しい。