明治期の著作には、ぜひとも読んでおきたい素晴らしい作品がたくさんあります。しかし、その独特の文体、いわゆる明治文語文(擬古文)と言われる文体に、難しいと挫折してしまう方も多いのではないでしょうか?<BR>実は明治文語文は、漢文書き下し調の文体に慣れさえすれば単語そのものは現代とそう変わりはなく、単純に読み慣れの問題なのです。<P>その中でもとりわけ易しく書いてあるのが、この「学問のすすめ」。明治期の作品を手に取る際の、最初の一冊としてお勧めします。特に京都大学、一橋大学志望の受験生の方は、必ず出題される明治文語文対策として、この一冊は読んでおきたい所ですね。
福沢諭吉先生の「学問のすゝめ」は「人は誰も生まれた時は貧富の差がないが、勉強する事で、富める人になります。」と、解釈する事ができます。『実学』を学ぼうと、福沢先生は、読み、書き、算盤の取得を勧めてます。1995年、ウィンドウズ95が登場し、パソコンを使いこなす事が出来る事を現在の『実学』であると判断します。福沢先生は本書において、独立起業を勧めてます。他人に依存することなく、独立の気力を読者に訴えております。十年程前から、世の中のパラダイムが変わってきました。親が子どもに学歴と大企業就職を薦め、安定を望んでいた時代は去った様子です。「学問のすゝめ 初編」の出版後133年が経ち、福沢先生の哲学を生かす時代へと、進んできたようです。激動の時代でも心配ないと思います。私たちはパソコンその他の道具で『実学』を実践する時代に生きているのです。福沢先生が現在生きていたら、私たちに独立起業の挑戦を勧めていたのではないでしょうか。
日本が世界の中でいかに行動すべきか、日本国民はどのようにあるべきか、という問題は現代の国際化社会に住む私たちにとっても、明治の近代社会草創期においても同じです。<P>私たちは現在不況の真っ只中にあり、世界の国際化・情報化の時代に生きていますが、福沢諭吉のこの本は私たち日本人が今後どのように行動すべきか教えてくれていると思います。開国してまだまだ弱小国だった明治日本を支えた一人、福沢諭吉の考え方を今一度学んでみてはいかがでしょうか。