この本を読んで、驚いたことがいくつもあった。まず学徒の方たちの教養<BR>の深さである。<BR>私は恥ずかしながら30歳になってから初めてこの本を手に取ったのだが、<BR>私なんかよりずっと深い見識、文章力を持ち、自分の置かれた運命について<BR>綴っている。<P>ここに綴られているのは、命は国家の未来のために捧げるとしながらも、<BR>心は愛する家族や恋人、友人などへの想いである。<BR>これらの想いが胸に突き刺さる。<P>そして、この学徒の方たちが当時の日本の壊滅的情勢を正確に分析し、<BR>その上で日本の未来、特に文化や道徳の衰退に対して危機感を<BR>持っていることに大変驚いた。<BR>まさに現在の日本の様相、経済至上主義に走った結果、文化が蔑ろに<BR>なってしまった世を予見し、憂いているのである。<P>そして、これらメッセージの今日性に驚いた。<BR>現在の古典と言われているが、全く文章に色あせたものを感じさせず、<BR>まるで本当に彼らが語りかけてくるように胸に迫ってくる。<P>我々はこの戦争で命を捧げた方たちから、平和な世の中を託されているのである。<BR>ならば、幸せに生きること、そしてこの平和を維持することが義務なのである。<P>憲法9条改正が盛んに言われているが、改正を望む人間はこの本の中に<BR>込められた想いを汲み取って欲しいと切に思うのだが。。。無駄な希望か?
平和を願う人々にとって本書はかわることなく読まれ続けている現代の古典である。<BR>太平洋戦争まで、太平洋戦争の時期、そして敗戦後、戦況の経過とそれについて変わっていく<BR>学生達の心の移りゆきが読みとれた。だれしもが平和を望んでいるのになぜ戦争を止めさせる<BR>ことができなかったのか。自由に学問したい、平和な世に生きてみたいと考える戦没学生の姿<BR>に涙した。
これは戦前、戦時中の日本を知る上で、とても貴重な書物です。<BR>あの「希望のない時代」をどう若者たちが生きていたのかが分かります。<BR>洗脳されていた…とされる“特攻隊員にされた”学徒兵たちの遺書もあり、彼らが実に冷静に自分の運命を見つめていたかが分かります。ショックでした。<BR>この本は、当時生きていた人たちの実際の声なので、戦後生まれの者に書かれたどんな書物よりも遥かに強烈です。