孫子は言う。<BR>「彼れを知りて己を知れば、百戦して殆うからず」と。(謀攻篇第三)<P>私たちは情報に溢れる社会に取り囲まれている。<BR>しかし、有効な情報とは何かと考えた際に、明確に回答できる者は少ないのではないか。<BR>孫子は、命の駆け引きである「戦争」をフィールドとして、情報分析の手法を書物に託した。<P>たかが古代の書物と侮ってはならない。<P>古代と現代において、人間そのものは何一つ変わっていないのだから。
確かに、優れた書籍である。現代のビジネス書にそのまま書き移しても全く違和感がない。<BR>但し、ここに書かれていることは、例えば軍事関係なら最低限守らなくてはならない「定理」である。もし外れれば旧日本軍のように簡単に敗れてしまうだろう。(昔の参謀本部って一体どんな教科書使っていたのだろう)<P>そういう意味では人の上に立つべき人は最低限このくらいは知っておくべきだし、知らなければ立つ資格はない。(本文のページ数は100Pあまりである。読む暇がないとは言わせない)<P>この本の使い方としては、まず初心者には最初に与える教科書として、そして上級者には、今自分の行っているビジネス等が理にかなっているかチェックするリストとして利用するのがよいだろう。
もう何十回読んだか知れない。それでも読むたびに新しい発見や反省が見つかる。行間に滲みでるぞっとするほどの奥深さは、この本が過酷な時代に生きる人びとのみが持つ体験から煮出されたものなのだろう。諸兄の座右の書にふさわしい書物です。この文章を読まれた方は騙されたと思って是非繰り返し目を通して見てください。生涯をともに過ごせる本は滅多に出会えるものではありません。<P> <BR>