ブッダのことば―スッタニパータ みんなこんな本を読んできた ブッダのことば―スッタニパータ
 
 
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ブッダのことば―スッタニパータ ( 中村 元 )

この本はブッダのことばを収録したといわれています。簡単な言葉のなかに読む人の心をうつ何かがあります。心が疲れたとき、この本を読むと、言葉が心にしみてきます。仏教がひろく人々の心をとらえたわけがわかります。

遠い昔、私はこの本をひもといたことがあった。その時は退屈さのあまり、途中で投げ出してしまった。<P>私がスッタニパータと「出会った」のは数年前、3回にわたる集中内観で大きな気づきを得てからである。それを機に私の感性はまるで変わってしまった。<P>そんなある時、京都のあるホテルにおいてあった「対訳仏教聖典」を気まぐれにめくってみたところ、そのあまりの面白さに最後の一ページに至るまで読み切ってしまった。その中でも特に心ひかれたのが、「スッタニパータ」「ダンマパダ」である。<P>改めて岩波文庫の「ブッダのことば」を読み直したことは言うまでもない。

最古の仏典というだけあって、素朴だ。そして、これらの素朴な詩句は、ブッダが当時語った言葉そのものに最も近いという。真実の、というと語弊があるかもしれないが、実際のブッダの教えとは何なのか知りたい人には是非お読みになることをおすすめする。私は本書を読んでから、原始仏教が在来の日本仏教の宗派とは(かなり)異なっていることを知った。現在の葬式仏教とはまったく違う当初のブッダの教えに触れることができると思う。半分(以上)が注釈だが、これは編者の学問的誠実さの表れであり、面倒だが本文とともに後ろの注釈箇所を引けば理解の一端になる。ただ、現代日本語訳とはいえ一回目は退屈するかも。時をおいてもよいから、原始仏教について知りたいと思って一度手にしたら、繰り返しアタックするだけの価値ある書である。

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