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| 砂糖の世界史
(
川北 稔
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砂糖を通して世界史を語る試み。<BR> なかなか切れ味が良く、大航海時代以来の500年ばかりを、さっと概観できている。とりわけイギリスの歴史を相当叙述できているのは感心してしまう。<P> 地球の端と端からもたらされた中国のお茶とカリブ海の砂糖とが、上流階級の流行になる。そうした世界の文物を手に入れられるイギリスの立場、貴族を真似たがる国民性が語られる。<P> さらに砂糖入り飲料を飲ませるコーヒーハウスからは、王立協会の科学革命が生まれ、新聞が発展し、ロイズなど保険業が育ち、南海会社のバブルがはじけ、政党までが体を成すに至る。まことに砂糖は17-18世紀のイギリスを舞台の下で回していた影の主役であったらしい。<P> 植民地としてのカリブ諸島、利益のあがる商品としての砂糖、この二つの重要性は、思ったよりも重視しないといかんなーと改めて感じた。
最初、ジュニア新書ということで軽い気持ちで読んでいましたが、読みはじめると貿易がいかに甘味と結びついているかがよく分かりました。貿易について知りたいけど、専門書はちょっと敷き居が高いという人向けの貿易入門書でもあり、また雑学フリークをも満足だせる一冊です。
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