|
| 癒されて生きる―女性生命科学者の心の旅路
(
柳沢 桂子
)
ひとつひとつの言葉から真実の響きが伝わってくる。病名のつかない症状に、<BR>心因性と片付けられ、孤独と不安、葛藤を潜り抜け、小さな自己を放棄した時に、初めて本当の癒しが訪れる。身内を亡くしたばかりの私にとって、「同じ無力な人間となって、人間の限界に涙する時に両方の心の中に通い合うものがある・・・そのときにはじめて、苦しむ人、死に向かう人の孤独を癒す力があたえられる。」というくだりは心に染みる言葉であった。根底に流れる歓びと共に、柳沢さんの言葉は多くの人を癒し、勇気付けることだろう。
|