■テレビドラマ「古畑任三郎」「HR」の脚本や、映画「ラヂオの時間」の脚本監督で、2004年NHK大河ドラマの脚本を担当する超売れっ子の三谷幸喜。本書は、「朝日新聞」連載のエッセイをまとめたもので、彼の超多忙な日常が、洒脱な文章でユーモラスに綴られている。<P>■1961年生まれの彼は、2002年41歳になった。かぞえの厄年である。そんな彼にふりかかる災難の数々――。母親が血をはいて入院、舞台の主役が急性虫垂炎で本番直前に交代、劇団仲間の伊藤俊人(「ショムニ」のゴマスリ課長役の人)の突然の死……。さらに香取慎吾主演の「HR」であと5本の脚本を残す段階で、1行も書けずに朝を迎える(結局喜劇のDVDを見て気分転換を図り1日遅れで完成させる)。妻の携帯電話の留守電に、夕飯のおかずを買いにスーパーに行こうと吹き込んだらそれは戸田恵子さんの番号だった。アア、なんという波乱、まさにスリルとサスペンス、疾風怒濤の日々。<P>■物を作り出すのは素晴らしいことだが、その創造の現場は地獄だ。毎日自分と戦い、絶え間ない努力をするべし。本書を読んでしみじみ実感。
前作にまさる爆笑本。<BR>三谷さんをとりまくご家族、お友達、役者さんも個性的な方が多いようで、ぐいぐい読んで、がんがん笑いました。<BR>前作にまさるのは、やはり、人の不幸は蜜の味だからでしょうか・・・。
同じ様な年なので、「怒濤の厄年」というサブタイトルに、<BR>まずぐぐっと来ました。<BR>この喜劇作家が、「厄年」をどう乗り切ったんだろう?<BR>その厄年を、どんなエッセイにしたんだろう?<BR>ここに出てくるエピソードで、仕事に関する「厄」は、<BR>ニュースですでに知っていたけど、<BR>当事者として、同じ年の友人が死んだり、<P>遠くへ旅立っていったりしたことにどんな気持ちでいたかということ、<BR>また親の健康を心配する年になったことを実感したり、<BR>そういうことの一つ一つが深刻にならず、<BR>でも、三谷さんらしい暖かさをもって描かれていて、<BR>とても人の血の通ったエッセイだと思いました。<BR>そういう大きな出来事と家族、<P>特に奥さんや動物に対する細やかな愛情溢れるエピソードが、<BR>バ!ンスよく構成されていて、<BR>「リアルタイム日記」と言いながら、<BR>実は計算しつくしているのではないかと思うほどです。<P>今回は、泣かされちゃったぜって感じ。<BR>厄年の方にはぜひおすすめ!<BR>私もこれで、厄年を乗り切る勇気がわいてきました。