いたたまれない気持ちになりました。<BR>純粋無垢な男の子と女の子のそれぞれの道行きが<BR>淡々と語られます。<BR>見た事もない「はっぴぃさん」にお願い事をするために。<BR>「はっぴぃさん」には会えなかったけれど<BR>山の上で二人は笑い合います。つかの間の平和な時。<BR>つかの間のこの時こそが「はっぴぃさん」そのものなのでしょう。<BR>そしてまた、戦車や瓦礫の中へ、帰って行きます。
大人は何故かなんでも理由を考えたくなる。<BR>日本の学校では太陽の色を赤と教えます。<BR>赤以外で太陽の絵を描くと先生は<BR>「何故太陽を赤で書かないの?」と注意する。<P>意味を探し出さないと「ホッ」としない日本人。<BR>この絵本は、頭ではなく心で感じることの出来る一冊でした。<P>何でもノロノロな僕は、実は何でも丁寧なんだ!<BR>いつも、あわてんぼうな私は、実は一生懸命なんだ!<P>文章も素敵ですが、書かれている絵を見るだけで、すべてを感じる事が出来、魂の黄色に暖かく包まれていきます。<P>理屈から開放され心で感じて欲しい一冊です。
読んだあとで、いろいろな問いかけが迫ってくる作品でした。<P>1なぜ、戦車や廃墟を描いたのか?<BR>2ふたりのねがいごとは何だったのか?<BR>3はっぴぃさんはどこにいるのか?<P>とりわけ1については、考えさせられました。<P>自然や町の風景にとけ込むように、さりげなく描かれている戦車。<BR>文章だけをとりだせば、ほのぼのとして心温まる話しだけに、<BR>絵に異質なものが描かれていることが心に引っかかりました。<P>しかし、これは我々の住む世界では、あたりまえに存在する<BR>光景になってしまっているのですね。