クローズアップされる人物は違うが、その都度、近藤・土方・沖田がチラチラと顔をだし、そのキャラクターにあった表情をみせてくれる。それがこの本の最大の魅力ではないだろうか。どんな事ににキレて、どんな事に笑い、どんな事に喜んだのか物語の中の「日常」を見る事によってそれ知ることができる。15章に分かれてはいるがちゃんとつながっている一冊の物語である。<BR> 特に沖田総司に魅かれる。天才剣士でありながら、さわやかで天真爛漫で正義感があり、色男である。なおかつ不治の病をもっている・・・<BR>現代の漫画やドラマの主人公にありがちな要素がそろっている。その人格、悲劇的要素が微妙に物語の中でキラキラと輝いている。司馬さんの書いた沖田総司を長編で読みたいと思った。
鬼と怖れられ、その名を京の都にとどろかせた新選組。彼らの人間味あふれる一面を司馬遼太郎が描いた作品です。<P>天才剣士として有名だった沖田総司も、その素顔は淡い恋に悶々とする1人の青年でした。監視として新選組に大いに貢献した山崎蒸も、実は実家の秘密に苦しむ男だったのです。その他にも、新選組をときめかせる新入りの美少年、クールだけれどちょっと間違いをして笑われる土方歳三など、「鬼」の新選組が身近に感じられるエピソードばかりです。
人の生き様はそれぞれ。「幕末」新撰組という組織に所属した人それぞれの個性が好きです。倒幕派・佐幕派二つの正義が存在した中、それぞれ生きていた人達が感じられます。学校の日本史の表面的な事実でなく。当時の生きていた人間がしたことです。