これを読む者は、一度は精神に異常をきたすと伝えられる、伝説的本。<BR> 内容もかなりいっちゃってて、みんな狂ってる狂ってる。<BR> 読み終わるまで本当にあっというまで、何が起こったのか、何が起こらなかったのか、それすらが混沌の中に沈み込んでいく。一応、読み終われば、一応の解釈は得られるが、深く読み込んでいけば、そんな解釈すら揺らぐほどのめまいを起こす。<BR> 本好きなら一度は読んでおくべし。
一級の幻想小説ではある。読後、いくつの幻想アイデアが重複しているのか数えてみたが、物語全体に影響を及ぼすオチのようなものが少なくとも四つある。考えれば考えるほど奥の深いアイデアである。読む人によっては、四つ以上のアイデアを発見する人もいるかもしれない。<P>主人公がいったい睡眠をいつとっているのか気になった。しかし、ちゃんと四時間も昼寝していることに気づいた時は、戦慄というか爆笑である。昼寝をしていない他の登場人物たちは、場合によっては、全員発狂である。<P>読みごたえのあるアイデアは確かにこの本にはある。興味のある人には、一読して、いくつのアイデアが発見できるか試してみて欲しい。
異端、異質な作品です。<BR>推理小説に分類される傾向にあるようですが、<BR>もしかしたら、現代的な精神科領域をいち早く<BR>日本文学に持ち込んだ小説だったのかもしれません。<BR>その作中に同作品が持ち出されるなど、<BR>独特な円環構成で描かれています。